SS「空気涼やかなれど」2024.09.28 06:31「カミラ、そんなに気になるのなら、星を見に行こうか」 揺れるカーテン。部屋に入ってすぐに目に入った薄い若草色の髪が月明りに光り輝いている。背伸びをして窓にしがみついていた少年は、ヴラドがひとこえかけると、ぱっと満面の笑みを浮かべて、振り返った。 綿毛のようにふわふわな...
300SS「春まで待てない」2024.05.04 13:09今日も来ないかな、約束のベンチに座る。わたしが座っても埋まらない空間に薄桃色の欠片が落ちてきてわたしを通過して座面に降り積もっていく。手でなんども撫でたが何も変わらなくて、風が吹いて、お邪魔していた色彩が落ちた。ため息をつく。革靴の音がした。わたしは顔をあげた。あの子が来ていた。...